
今の仕事や会社の将来が危ないから、
「仕事を変えたい」
「業界を変えたい」
と思ったことはありませんか?
でも、どの業界に移ればいいのか分からないですよね。
仕事や業界を変えたい方は、これから伸びる市場に乗り移ることで、安定した働き方ができるようになります。
本記事では、仕事の賞味期限と伸びる市場の見極め方について解説しています。
前回(下記の記事)、自分の市場価値(マーケットバリュー)を測るための3つの資産ついて解説しました。
①技術資産
・福利厚生よりも、専門性と経験でキャリアを選ぶ
②人的資産
・人的資産は年をとるにつれ重要度が増していく
・キャリアは20代は専門性、30代は経験、40代は人脈が重要
③業界の生産性
・市場価値(マーケットバリュー)は業界の生産性に最も大きな影響を受ける
技術資産も人的資産もない場合は、「生産性の高い業界」か「エスカレーターが上を向いている」産業を選ぶことが大事になります。
では、エスカレーターが上がっている、下がっているはどうやって確かめるのでしょうか?
目次
仕事のライフサイクルと賞味期限
仕事のライフサイクルから仕事の賞味期限や伸びる市場が分かるようになります。
仕事とは生まれて、消えていくものです。
例えば、プログラミングという技術は、100年前には存在しませんでした。
広告代理業の仕事は、新聞や雑誌の印刷技術の発展によって生まれました。
そして、新聞や雑誌の発行部数が減るにつれて、今まさに紙の広告の広告代理業は消えつつあります。
このように、仕事とは生まれては消えを繰り返しているのです。

仕事のライフサイクル
図が仕事のライフサイクルの状態を表しています。
全ての仕事には、明確な賞味期限があります。
①が新しく、②、③、④と段々古くなります。
具体的には、まず①のニッチは「イスの数は少ないが、替えがきかない仕事」から始まり、順番に②、③と移行し、最後は④の「イスの数も少なく、誰でもできる仕事」として消滅していきます。
これが仕事の「賞味期限」が切れる構造です。
イスというのは雇用の数で、その仕事に何人が就けるかを表します。
仕事のライフサイクル① ニッチの状態
仕事が生まれるためには、誰かが最初にやり始めなければなりません。
これが①の「ニッチ」と呼ばれる状態です。
この時点では、他に誰も同じことをしていないので、当然、替えがききません。
つまり、代替の可能性は低いです。
仕事のライフサイクル② スターの状態
やがて、その仕事が儲かることが分かると、どんどん同じ仕事をする人は増えていきます。
こうして、その仕事をする人の数が増えていくと、②の「スター」と呼ばれる状態になります。
②の「スター」の状態にまでなると、一気に仕事は汎用化されていきます。
プロセスは、誰でも模倣できるレベルまで分解され、再現性のある形でシステム化されていきます。
仕事のライフサイクル③ ルーティンワークの状態
会社としては、同じ仕事を誰でもできるように、プロセスを効率化させます。
そのために人を大量に雇います。
こうやって、限られた人しかできなかったものが、一気に代替可能になり、③の「ルーティンワーク」になります。
③の「ルーティンワーク」の状態になると、今度は仕事が消える方向に進みます。
なぜなら、お金の力が働くからです。
仕事のライフサイクル④ 消滅の状態
③の「ルーティンワーク」の人を大量に雇うということは、代替可能な人を大量に雇っている状態ということになります。
企業にとって人件費は大きいため、機械やAIなどのテクノロジーによって代替する方向に進みます。
こうして、④の「消滅」のフェーズに入るのです。
仕事が消滅するということは、仕事が果たす機能がなくなるわけではなく、人が担う部分がなくなるということです。
例えば、物を運ぶ人はいなくなっても、物を運ぶという機能はあり続けるということです。
自分が身を置く業界を見極める
自分の技術資産を一覧にし、ライフサイクルに当てはめることで、自分という商品の賞味期限が見えてきます。
これが、『市場価値(マーケットバリュー)を高めて一生食える働き方を手にする方法』で解説した、エスカレーターの向きを把握する方法です。
業界を見極めるうえで大事なのは、伸びている産業かどうかです。
業界を間違えれば、せっかく経験を積んでも、無効化されてしまいます。
逆に、伸びている業界はその何倍もの価値を持ちます。
例えば、2010年からの5年間は、スマホゲームが爆発的に伸びました。
この時期に、この産業で働いた経験というのは、それだけで貴重な「技術資産」になりました。
なぜなら、経験者を雇いたいと追随する会社が山ほどあったからです。
スマホゲームと聞いて、技術資産がエンジニアのスキルを思い浮かび、私には関係ないと思う方もいるでしょう。
雇いたい経験者はエンジニアだけではありません。
例えば、スマホゲームの会社の人事責任者であれば、様々な人と面接を経験しています。
スマホゲームの業界で活躍できる人材がどういう人材か知っていれば、人事責任者の「経験」は技術資産になります。
他の会社でも展開できる技術は立派な技術資産なのです。
逆に、縮小している産業の技術資産の価値はどんどん目減りしていきます。
だからこそ、伸びているマーケットに身を置くことが重要なのです。
強みが死ぬ前に伸びる市場に乗り移る
もし、今あなたが縮小している産業に身を置いているならば、強みが死ぬ前に伸びる市場に乗り移りましょう。
縮小することが見えていたら、方向性や路線を変えるということです。
その際、自分の強みに軸足を残しながら、もう片足を今後強くなる部分に少しづつ、ずらしていくことです。
サーフィンでたとえるなら、とらえた波が消える前に次の波に乗り移るということです。
これが一生食べていくための方法論になります。
問題は、その波をどうやって見つけるかです。
まず、乗ってはいけない波の見つけ方をお伝えすると、10年前と同じサービスを、同じ顧客に売っている会社は除外しましょう。
これだけ変化の激しい世の中で、10年前と変わらないものを、同じ場所で売っているというのは、それだけ変化がないということです。
変化がないことは、会社としていい側面もありますが、新たに働く人間にとっては最悪です。
なぜなら、その会社に転職したとしても代替可能な存在にしかなれないからです。
では、どうすれば、伸びる波、伸びるマーケットを見つけられるのか?
伸びるマーケットを見つけるには方法が2つあります。
【まとめ】 安定した働き方を手に入れる
安定した働き方をしていくには、仕事がなくなるサイクルを理解しつつ、伸びている業界へ身を置くことです。
仕事がなくなるサイクル
・すべての仕事は、ライフサイクルに沿って生まれては消えていく
・会社は、すべての仕事をシステム化し、代替可能にしようとする
・自分の仕事が①のニッチならエスカレーターは上向き、③のルーティンワークなら下向き
・衰退している事業での経験は無効化する
・伸びている業界に身を置くことは、それだけで価値がある
・自社だけでなく競合も含め、全体的に利益を落としているのは、マーケットが縮小している証し
伸びるマーケットを見つけるには方法については下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。