私が以前に生命保険の営業をしていたことは何度かお伝えしています。
その頃のテレアポは、3件に1件の割合でアポイントを獲得していました。
私がテレアポが得意で、もの凄いアポインターであったわけではありません。
生命保険会社の前に働いていた旅行会社時代では全くアポイントを獲得できなかった人間です。
そんな私が、これだけの高確率でアポイントを獲得できるには理由があります。
それは第三者の影響力を武器に使っていたことです。
第三者の影響力にはウィンザー効果という心理効果があります。
このウィンザー効果を使うことで営業アポが面白いくらい獲得できるようになります。
今回は、私が実践している第三者の影響力を武器にしたウィンザー効果で営業アポを獲得する方法を紹介してまいります。
第三者の影響力を武器にしたウィンザー効果で営業アポを獲得する方法
第三者の影響力は営業のあらゆるシーンで効果を発揮します。
初めての営業先で話を聞いてもらう時、第三者の影響力を使えば、話を聞いてもらえる確率が高くなります。
では、私がどのようにアポイントを獲得してたのか?
以前の実施していたテレアポを例に解説します。
紹介する前に簡単にシチュエーション設定を説明しておきます。
私Takeが山田さんに保険の話を聞いてもらいました。
山田さんが一番大切にしている友人が鈴木さんということで、山田さんの紹介で鈴木さんに保険の話をする承諾を得ました。
そして、鈴木さんにテレアポしていきます。
営業担当:Take
紹介者:山田さん
見込み客:鈴木さん
鈴木さんのお電話でよろしいでしょうか?
ご友人の山田さんからご紹介いただきました〇〇生命のTakeと申します。
実は先日、山田さんにお会いしまして、私の話を聞いて頂いたところ、非常に役に立ったと大変喜んで頂きました。
その際、是非、どなたか大切な方をご紹介いただけないかとお願いしたところ、真っ先に鈴木さんのお名前を頂きまして、お電話させて頂いた次第です。
もちろん、私の話が山田さんに喜んで頂いたからといって鈴木さんのお役に立てるかどうか分かりませんが、短い時間で結構ですので、是非一度お会いして、ご判断頂きたいのです。
もし、鈴木さんのお時間を頂けるとしたら、平日の夕方以降とお休みの日でしたら、どちらがご都合よろしいですか?
こんな感じで山田さんの影響力を随所にちりばめながら、アポ設定に持ち込みます。
ポイントは紹介者を代弁して、見込み客のことを持ち上げます。
・褒める
・尊敬している
・大切にしている
etc
普段の生活や仕事で接してる相手には面と向かって言うのは恥ずかしいけど、どこか認めているところがあるはずです。
それを営業担当が紹介者に変わって代弁してあげるのです。
良いことを言われれば、嬉しくなりますし、悪い気になる人はいないでしょう。
当然、見込み客を持ち上げるには材料となる信憑性あるエピソードが必要になります。
紹介者と話すときは、紹介者の口から見込み客の名前が出た時を逃してはなりません。
そして、名前が出た時には、その人の関係性や特徴など聞き出すのです。
名前を聞き出すまでの流れは色々ありますが、ここでは長くなるので割愛します。
鈴木さんってどんな人なんですか?
山田さんが真っ先に名前をあげるということは優秀な後輩なんでしょうね?
会話の中で、鈴木さんの特徴や山田さんとの関係性を聞き出していきます。
もし、先ほど紹介したテレアポアプローチで鈴木さんが断ってきたら、切り返しトーク(アウト返し)をして対応します。
切り返しトーク(アウト返し)をしてから、先ほどとは別のエピソードを交えながら、場の空気をかき混ぜ、再度アポ設定に持ち込みます。
反対処理については『テレアポや営業で活用できる切り返しトーク(アウト返し)』で詳しく解説していますので、もっと知りたいという方はご覧ください。
そうですよね。
保険は入ってますよね。
ただ、ご安心ください!
私の話は保険に入っている方にこそ「役立った」と言って頂いているお話なのです。
実は山田さんも最初は「保険は入っているからいいよ」っておっしゃっていたのです。
そんな山田さんも「こんな話だったら」と鈴木さんをご紹介頂いたのです。
たくさんの友人がいるなかで真っ先に鈴木さんの名前が出てきたということは、山田さんにとって鈴木さんは一番頼りにされている存在なんでしょうね。
そこまでおっしゃてくれた山田さんが役に立った話がどんな話なのか、鈴木さんにも聞いていただきたいのですが、平日の夕方以降とお休みの日でしたら、どちらがご都合よろしいですか?
山田さんからできる限り多くのエピソードを集めていれば、鈴木さんが何度も断ってきたとしても、エピソードを変えながら、何度も空気をかき混ぜることができます。
エピソードのネタの数だけ断りに対する切り返しトーク(アウト返し)ができるのです。
ウィンザー効果がもたらす第三者の影響力
ウィンザー効果とは、第三者から間接的に情報が伝達することによって、より信憑性や信頼感が増すという心理効果です。
※ウィンザー効果とは
ウィンザー効果はミステリー小説『伯爵夫人はスパイ』の中の登場人物が由来となっています。
ウィンザー伯爵夫人の台詞で「第三者の褒め言葉がどんな時も一番効果があるのよ、忘れないでね」というセリフから、ウィンザー効果と呼ばれるようになりました。
自分から「私の話は有益だ」と主張した場合と、上司や同僚から「彼の話はとても有益だ」という言葉を聞いたとき、受け手はどちらの言葉に信憑性を感じるでしょうか?
多くの人は、信用度が高いのは他人から得た情報の後者と言うでしょう。
このように信用度にはかなりの違いが出てきます。
営業など初対面の相手であれば、なおさらです。
ウィンザー効果がもたらす第三者の影響力は営業シーンだけではありません。
人は物事を決定するときに何かを参考にします。
例えば、Amazonなどの通販で、購入者のレビューをチェックしたことはないでしょうか?
商品を買うことを悩んでいたり、気になっている状態で、購入という決定的な一歩を踏み出すために、誰かに背中を押してもらいたいのです。
その行動として、レビュー記事を見て、購入する決断が正しかったのだと自分を正当化します。
当然、レビュー内容が悪ければ購入を見合わせるでしょうが、レビュー内容が良ければ購入に至ります。
このように、当事者から直接受け取る情報よりも、第三者から間接的に受け取る情報の方が信憑性・信頼度が高いと感じるのがウィンザー効果による心理的効果なのです。
第三者の影響力の武器を使う注意点
第三者の影響力の武器を使うには注意点があります。
見込み客によっては使えないケースがあるのです。
この第三者の影響力を武器にするには紹介者と見込み客の関係性が重要なのです。
関係性が悪ければ、いくら良いことを言っても、ウソに聞こえてしまったり、信じてもらえないからです。
第三者の影響力の武器を使うには、紹介者と見込み客の関係が良好であることが必須条件となります。
よって、紹介者から見込み客の紹介をもらうときや、名前を拾う時は、聞き出し方が大事になるのです。
「○○さんが一番仲の良い友人ってどなたですか?」
「○○さんが一番尊敬している先輩ってどなたですか?」
というように、良い関係性である条件で聞き出すのです。
紹介がなくても第三者の影響力を使えるケース
テレアポの仕事をしている人全員が、見込み客の紹介でリストを集めているとは限りません。
コールセンターでのテレアポであれば、見込み客リストは会社が用意したもので、先ほどのようにはいかないでしょう。
但し、こんなケースでちょっとした第三者の影響力を使うことができます。
●企業向けの研修案件のサービスを扱っているテレアポのケース
お忙しいところ恐れ入ります。
私○○会社のTakeと申します。
私共は企業様向けの研修を扱っている会社でして、研修についての情報提供でお電話させていただきました。
研修のご担当されている方お願いできますでしょうか?
そうでしたか。
それでは、また日を改めてご連絡させていただきますが、ご担当の方はどなた様になるのでしょうか?
ありがとございます。
次回、田中様宛にご連絡させていただきます。
後日
お忙しいところ恐れ入ります。私○○会社のTakeと申します。
私共は企業様向けの研修を扱っている会社でして、本日は研修担当の田中様いらっしゃいますでしょうか?
お忙しいところ恐れ入ります。
私○○会社のTakeと申します。
私共は企業様向けの研修を扱っている会社でして、先日受付の方に研修についてのお話を少しさせていただいたところ、
「そういったお話であれば、是非、田中様に!」ということでお電話させていただきました。
担当者不在のケースで受付の方に担当者の名前を聞くだけです。
後日、受付の方が「話してほしい」と言っていましたと、少し誇張しながら受付の方の影響力を使うのです。
受付の方にはそこまでの影響力はないとしても、全く使わなよりかはマシです。
むしろ、1発勝負のテレアポであれば、使うべきです。
実際、私はコールセンターでテレアポをしていますが、このケースになると7~8割の確率でアポになります。
それだけ第3者の影響力という武器は効果的なのです。
ウィンザー効果を使った副業ビジネス
第三者の影響力を使ったウィンザー効果を少し応用した使い方があります。
自分を第三者にする活用方法です。
例えば、あなたが新しくオープンしたラーメン屋に行ったとします。
そこで驚くほど美味しかったら、この美味しさを誰かに伝えたいと思うでしょう。
「先日オープンしたラーメン屋に行ってきたんだけど、スープが濃厚で麺もモチモチしていて、今まで食べた中で一番だったよ!」
と友人に伝えます。
すると、その友人は無性にラーメンが食べたくなって、早速その店に行くことに。
まあ、よくある話ですよね。
このケースはラーメン屋に行ったあなたが第三者になっています。
あなたが体験して良かったことを客観的な意見として友人に伝えることでウィンザー効果の心理が働いています。
ラーメン屋さんが「うちのラーメン美味しいので来てください!」と街でビラ配りしながら訴えるより、実際に食べてきた友人の一言の方が効果があるのです。
このように自分が体験してきたことを第三者として伝えるビジネスがあります。
『Saleshub(セールスハブ)』というプラットフォームであなたが第三者として紹介することができるのです。
企業が広めたい商品やサービスをあなたが代わりに紹介するだけです。
あなたが紹介したことで、企業から紹介料を受け取ることができます。
今、副業として多くの人が活用しています。
詳しくはこちらで解説しています。
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【まとめ】第三者の影響力を武器にしたウィンザー効果
営業の仕事であれば、第三者の影響力というのは大きな武器になります。
ウィンザー効果を使うためには、まず影響力となりそうな第三者の名前を拾うことです。
そして、できる限り、会話の中で材料となる特徴や関係性を聞き出します。
これには日頃から意識しすることが大事です。
私は生命保険の営業をしていた頃、習慣付けのために、ちょっとしたトレーニングをしていました。
同僚と飲食店で食事する時、お店を出た後に店員の人数と名前を確認し合って、どちらが多くの名前を拾ったか競い合っていました。
手がかりは、店員の胸のネームプレートや、厨房で店長が呼んだ店員の名前、本日のおすすめの献立表など、お店のあらゆるところにヒントが隠れています。
こうして普段から見込み客発見の洞察力を鍛えていたのです。
常にアンテナを張っている状態にしておくと、名前を聞き逃すこともないですし、名前を聞き出すチャンスを敏感に察知できるようになります。
テレアポや営業でも自分ではなかなか決断できないときに、自分の知っている人が話を聞いたとなれば、少しは聞いてみようかなと気持ちが傾きます。
「○○さんが聞いたなら、悪い話ではないかもしれない・・・」
「○○さんが聞いたなら、ちょっと安心できるかも・・・」
こんな気持ちになったところで、すかさず日時の設定に持ち込めば、アポになります。
因みに、この時のアポの設定は必ず二者択一で選択させてあげてください。
二者択一のアポはより確率が高くなります。
二者択一についてはこちらで詳しく解説しています。
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