旅行会社の会社員が仕事の激務で抱える悩みについて【体験談】

華やかなイメージを持たれる旅行業界。

旅行会社で働くとなると、イメージとのギャップで、辞めていく人も多い業界です。

仕事が激務ゆえに様々な悩みを抱えてしまう人も多くいます。

今回は、旅行会社で働く会社員が仕事の激務で抱える悩みについて体験談をふまえてまとめてみました。

 

●本記事の内容

・旅行会社の会社員が仕事の激務で抱える悩みについて

・旅行会社の仕事を続けるか辞めるべきかの判断基準

 

旅行会社の会社員が仕事の激務で抱える悩みについて

旅行会社に勤めてる会社員であれば誰でも何かしらの悩みを抱えてることでしょう。

 

参考までに筆者の私は旅行業界に13年在籍していました。

もちろん在籍中はたくさんの悩みを抱えていましたし、退職していく人もたくさん見てきました。

 

旅行会社の会社員が仕事の激務で抱える悩みについて順番にご紹介してまいります。

 

 

給料が低い

旅行業界の給与水準は業界全体的に低い傾向にあります。

 

20~30代の平均年収で300~400万ほどです(200万円台の会社もあります)。

年の昇給も1000円ほどだったりします。

 

20代の頃は他の業界と比べてもそれほどの差がなくても30代以降はその差が顕著に表れてきます。

小さな会社だと賞与や退職金も出ないところもあります。

 

 

給料に見合わない業務量

給料に見合わない業務量の多さには驚きます。

他の業種を体験した人であれば、真っ先に感じることでしょう。

 

セールスの仕事であれば、お客様への提案から予約業務、請求書や資料の準備、書類の回収、内容の確認、発券業務、出発の案内などあらゆる業務を一人でこなしながら、別の担当者のヘルプやフォローなどもします。

そのなかで高い目標をこなさなければなりませんので、非常に激務となります。

 

添乗業務であれば、場合によっては24時間対応も必要となりますし、海外の添乗から帰国して疲れ果てた状態で会社に戻り精算業務などしなればならなかったりします。

 

私は初めての会社が旅行会社だったので、他の業界との比較ができませんでした。

しかし、他の業種を体験して、改めて振り返ると業務量の多さを感じます。

 

薄利多売の収益モデルなので、目標も予約者数を追うことになりますので、仕事量が増えてしまうのです。

その仕事量も収入に見合った量であれば、納得する人もいるのですが、ほとんどの人が給料に見合わない業務量と感じてしまいます。

 

 

クレーム対応がきつい

旅行代理店で価格競争のビジネスモデルになると、クレーマーや質の悪いお客様の割合が高まる傾向にあります。

 

こちらのミスでクレームに発展する場合もありますが、その際は誠心誠意謝罪して対応します。

 

しかし、最初から悪意を持ってクレームしてきたり、こちらのちょっとしたミスに付け込んで値切ってもらおうとするなどの悪質クレーマーもいるのです

 

対応に丸1日、数週間かかったりするケースもあります。

 

私が経験のなかでは12時間電話しっぱなしの対応もありました。

少しこちらの不手際もあったのですが、それにつけこんだ過剰要求でした。

終電時間が近くなってきたので、仕方なくこちらから電話を切ると翌日の朝一番に電話がかかってきて「なんで昨日電話を切ったんだ!」と怒鳴ってきました。

その方は精神障害を患っていたようで仕方ないと思いつつも、さすがに業務に支障をきたすので、本部に対応してもらいました。

 

クレーム頻度が重なったり、長い間対応に追われたりすると、精神的にもきつくなってくるものです。

もちろん、とても感じの良いお客様もいらっしゃるのですが、多くのお客様を対応していると一定数の割合でいるものです。

 

 

外国人対応がきつい

旅行代理店では外国人のお客様も訪れます。

英語やその他外国語で対応することもあります。

 

外国語に対して特に問題なく対応できるスタッフはよいのですが、外国人対応の専門店でもない限り、苦手意識があるものです。

日本人のお客様に比べて、コミュニケーションに時間もかかりますし、こちらの案内が理解できているのかと不安になることもあります。

 

また、中途半端に外国語が話せることで、外国人のお客様を全て担当させられてしまうなど、業務効率の悪化、そして成績にも悪影響が出てくることもあるでしょう。

 

 

時間に追われる

旅行会社ではチケットを発券するリミットがあります。

 

例えば、早割7日のチケットであれば、出発7日間までに発券しなければなりません。

それまでに申込書などで必要な情報や入金の確認をしなければなりませんし、確認できなければお客様へ連絡しなければなりません。

そしてこのリミットはいかなる理由があっても待ってくれませんので、7日が過ぎると発券できなくなるのです。

 

発券リミットには出発〇日前のほかに、予約してから〇日内や〇時間以内など格安であればあるほど、このような期限があるのです。

航空会社だけでなく、ホテル会社からも部屋割りの確定などの期限も設定されるので、予約者数が多くなればなるほど、時間に追われることになるのです。

 

 

ゆるされないミスをしてしまったこと

航空券の名前はアルファベットで予約するのですが1文字でも間違えていると搭乗できなくなります

出発前であれば、対処できますが、それでも当初の金額より高い金額となる為、お客様側のミスであれば、再度差額を頂きます。

 

しかし、それに対して納得頂けないお客様もいるので、その対応に時間がとれれます。

こちらのミスであれば、始末書などの提出に時間もとられ、上司からは怒られ、賞与にも影響するなど、精神的にもダメージを受けます。

 

最悪なのは、ミスが当日になって発覚することです。

名前のミスならば再発券してお金で解決できます。

 

しかし、どうしようもできないことがパスポートの有効期限切れです。

こればっかりはお金をいくら払っても出発することができません。

事前にパスポートの残存日数を確認するようにアナウンスしたりするなど、ヘッジはかけるのですが、それでも「大丈夫だろう」という慢心から起こったりしてしまいます。

こちらに非がなくても、とても嫌な思いをします。

 

渡航する目的は気分転換の旅行だけではなく、一生に一度のハネムーナーだったり、海外に住んでいる家族に不幸があったりなど、海外へ飛行機に乗る目的は人それぞれです。

 

しかし、パスポートの有効期限切れは例外なく渡航できないのです。

お客様によって渡航の背景は様々であり、旅行会社の仕事はミスがゆるされない責任のある仕事なのです。

 

 

人間関係

どの現場も忙しいので、ピリピリとした雰囲気を感じます。

ちょっとしたミスでもあたりがきつかったり、ひどく怒られったりすることもあります。

更に高い目標もあるので、ピリピリ感に拍車がかかります。

 

一人あたりの仕事量が増えていくと、いかに仕事量を減らして他のスタッフにやってもらうのかと考えるスタッフもでてくるので、人間関係がより悪化する原因にもなります。

旅行会社に長くいると人格まで変わってきてしまうのではないかと感じるほどです。

 

 

休日が不安定

BtoCのビジネスであればお店を休みなく営業を続けます。

そうなるとシフト制で休みとなります。

平日休みは出かける時に混雑を気にすることなく楽しめるメリットはありますが、休みが毎週〇曜日と決まっているわけではないので、リズムが作りにくいと感じる人もいることでしょう。

 

BtoBの法人営業の業務であれば暦通りですが、出発当日や現地でトラブルがあれば休みの日でも対応に追われます。

仕事用の携帯電話がいつ鳴るか分かりませんので、休みの日も完全に気持ちをオフにすることはできないので気が休まる時がありません。

 

 

休日出勤が入る

自分のやるべき業務が勤務時間に終わらなければ休日に出社してやることになります。

もちろん強制ではありませんし、会社からは休日に出社しないように言われているものの、期日のある仕事であれば、それまでに済ませておかないと損失に繋がります。

損失を出せば、始末書に時間を取られ、賞与にも影響してきてしまいますので、仕方なく出社して仕事することになるのです。

 

 

転勤が多い

全国に店舗や事務所を展開している会社であれば旅行業界に限らず転勤があります。

 

会社によっては給与条件をよくする代わりに転勤を受け入れる場合と、転勤のない2つの給与制度に分けて選択制にしている会社もあります。

しかし、将来的に昇進やステップアップを目指すのであれば、転勤して地方を経験していくことも求められたりします。

海外展開している会社であれば海外転勤もあります。

 

給料が低い仕事だけに転勤ありの給料制を選択したいと思っても、家庭やマイホームがある方、親の介護をしている方にとっては仕事とプライベートの両方を考えるうえで悩む問題となります。

 

 

プライベートの時間がとれない

残業が当たり前の職場環境となっていると、平日の夜に友人から食事などの誘いがあっても「仕事が終わらないから行けない」決まり文句のようになってしまいます。

 

アフター5なんて旅行業界にいる人にとっては無縁のフレーズのことでしょう。

 

しかし、繁忙期と閑散期によって業務量に波がある部署もありますので、早くあがれることもあります。

 

 

体力的にきつい

1日の仕事量と労働時間の長い状況が続くと、仕事のない休日でも疲れ果てて、1日中寝てるということもあります。

 

私も20代の頃は外出してプライベートを楽しむこともできましたが、30代半ば頃からは外出する元気もなく、休日が体力回復する日になっていました。

 

こうなると何のために生きているのかと疑問に思ってしまいます。

私は自分の人生を会社の仕事に捧げるのは嫌でした。

 

 

将来が不安

仕事に追われた日々を過ごしていくと、将来が不安に感じてしまう人もいるでしょう。

 

結婚出産を考える女性にとっては、このままだと、自分の人生にはふさわしくない環境なのではと考えてしまうのではないでしょうか。

 

実際、結婚や出産を機に辞める女性社員も多くいました。

 

また、上のポストも埋まっていたりする将来の自分の立ち位置が見えず不安になります。

 

 

旅行会社の仕事を続けるべきか辞めるべきか

 

ここまでたくさんの問題を紹介してまいりましたが、どの問題も仕事量とそれに見合わない報酬が旅行会社で働く会社員の悩みに繋がっていると感じます。

 

これによって働く従業員だけでなく、お客様へのサービスの質の低下などにも影響が生じていると考えます。

 

私は仕事量に合わせて報酬制度を改めるべきではないかと考えます。

 

報酬を上げられるだけの利益が出ていないのであれば、利益の取れるビジネスモデルへと変換すべきだと思います。

 

下記の記事では私が提案する従業員の労働時間の問題を改善する具体的なビジネスモデルで紹介しています。

 

もし、今勤めている会社が従業員の労働環境の問題に真摯に取り組み、改善する姿勢を感じているのならば、もう少し様子を見ても良いかもしれません。

 

しかし、改善の姿勢がなければ、転職する道も考えてみましょう。

 

2019年4月からは働き方改革関連法が施行され、その中に残業時間の罰則付き上限規制が設けられました。

 

このタイミングで改善姿勢がない会社は時代の流れについていけていない会社ですし、将来の存続すら危ないと言っても過言ではありません。

 

世の中の仕事は旅行会社だけではありません。

 

私もそうでしたが旅行会社に勤めていると、忙しさのあまり、異業種や他の会社の仕事のことまで情報が入ってきません。

 

旅行が好きで入社しただけに、自分が好きな仕事は旅行会社しかないと思っている人も多いことでしょう。

もし、そのような固定観念があるのであれば、一度外の世界を見るようにしてみてください。

 

下記の記事では転職に繋がる外の世界の情報を入手する具体的な方法を紹介しています。

 

価値観が変われば、転職に対して少しは前向きに考えるようになるかもしれません。

働く環境がよくなることで、仕事とプライベートの充実度が増し、幸福度が上がります。

 

 

旅行業界に明るい未来を願って

 

旅行業は人気職業が故に、多少報酬条件が悪くても好きな旅行に携われるのならという思いで旅行会社を選ぶ人は多いです。

 

厚生労働省からは労働環境についての問題を度々指摘されていますが、本気で具体的な改善策を講じる会社は少ないように思えます。

人気の職業だけに、毎年たくさんの従業員が辞めても、翌年には確保できるというところに甘えがあるのではないでしょうか。

 

今後、人手不足が進み、働く側の職場環境改善を進んでいくなかで、企業がこのまま状態を続けていけば優秀な人材の確保はより難しくなります。

 

それが消費者に対してのサービス品質の低下に繋がるのではないかと危惧しています。

 

私は旅行には人に夢を与える役目もあると思っています。

 

旅行という文化が働く側、利用する側の双方に夢を持てるような、産業となることを願っています。