
利用者が急速に増えている退職代行。
退職希望者に代わって業者が会社へ退職の意向を伝えてくれるサービスです。
「退職届を出すだけなのに、わざわざ代行サービスなんて使うの?」と思う人もいるかもしれない。
日本の企業では、まだまだブラックな体質が残っているところも多く、退職を言い出せなかったり、ひどい仕打ちをされるところもあります。
そのような職場環境に身を置いていると、徐々に精神的に追い込まれ、まともな判断ができなくなってしまうことがあります。
こうした人たちにとって、退職代行は余計なストレスを抱えることなく退職することができるのです。
今回、退職代行について詳しく解説してまいります。
●本記事の内容
fa-check-circle退職代行とは(メリットとデメリット)
fa-check-circle退職代行はどんな人が利用してるのか(理由)
fa-check-circle退職代行を利用する手順
退職したいけど、何かしらの理由で退職を伝えられないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
退職代行とは
退職代行とは、労働者が会社を退職したいと考えた時に、労働者に代わって退職の意向を伝えてくれるサービスです。
2018年頃からサービスを行う業者が急増し、多くのメディアにも取り上げられたことで急速に利用者が増えてきました。
通常、労働者は退職の自由が保障されていますので、いつでも会社に退職の意思を伝えて退職することができます。
民法第627条1(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
1.当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
しかし、一部の企業では、退職を伝えた労働者に対して引き留めを行ったり、脅しや嫌がらせをして退職を撤回させようとするケースが発生しています。
労働者が退職したくても、退職できない問題が発生しているのです。
このような状況に陥った労働者に、スムーズな退職を実現できるのが退職代行サービスです。
利用する際は注意しなければならない点もあります。
退職代行のメリットとデメリットをそれぞれ見てまいりましょう。
退職代行を利用するメリット
fa-thumbs-up早く辞められる
退職までの無駄な時間をなくすことができます。
自分で会社へ退職の意思を伝えると、たいてい説得させられます。
「あと1ヶ月だけ残ってくれ」など何かと理由をつけられて退職まで引き延ばされてしまうものです。
fa-thumbs-up精神的ダメージを抑えることができる
「なんで辞めるんだ!」や「最後まで責任を持て!」と詰められることがなくなります。
真面目な人ほど真に受けて、辞めずらくなります。
こうした精神的な負担を抱えることなく辞めることができます。
退職代行を利用するデメリット
fa-thumbs-down費用がかかる
退職代行の相場は3万~5万円です。
自分で辞めることができる人にとっては高すぎると感じますが、深刻な悩みとなっている人にとっては、その位の金額なら安いものと感じる人もいます。
fa-thumbs-down悪質な業者もある
弁護士資格を持たない業者は交渉を行うことができません。
しかし、違法で交渉を行っている業者もあり、立場が不利になると依頼者と音信不通になってしまうなどの問題も発生しています。
無責任な業者もありますので、業者選びは安心して任せられるところにお願いしましょう。
下記の記事では、退職成功率100%の業者を厳選して紹介していますので、業者を探す際はこちらからご覧ください。
>>退職代行サービス厳選8社【最新ランキング】どれがいいか比較した結果!
退職代行は失敗することもあるのか?
失敗することはほぼありません。
理由は、退職希望者本人が退職届を送付したら、法律上、企業側で引き止めることはできないからです。
民法では退職の意思を伝えれば2週間後に辞められることになっています。
民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
役職者の承認がないと辞められないと思っている人もいるのですが、会社側で退職をとめる権利はないのです。
退職代行業者と弁護士の違い
弁護士と退職代行業者の違いについて気になる人も多いと思います。
退職代行には大きく分けて『一般企業が行う退職代行』と『弁護士による退職代行』の2種類があります。
まず2つの違いをまとめると以下のようになります。
退職の意思を伝える | 退職条件の交渉 | 法律相談 | 料金相場 | |
退職代行業者 | 〇 | × | × | 3~5万円 |
弁護士 | 〇 | 〇 | 〇 | 5万円前後 |
退職代行業者は退職の意思を代行して伝えることは法律的にできません。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
退職の意思は本人に書面で伝えてもらい、事務連絡を退職代行業者が代行するのです。
例えば、退職時に会社へ返却しなければならない社員証や会社マニュアルなどの返却先を確認したり、業務の引き継ぎの指示などがあります。
退職となると細かいことで会社と連絡を取り合わなければなりません。
退職代行の利用者にとって、会社側と話をしたくないので、書面で送ったり電話するよりは、間に誰か入ってもらって伝達してもらいたい意向があるのです。
退職代行はどんな人が利用してるのか
日本企業で退職者数は年間約700万人。
そのなかで退職代行業者への依頼は月に数百件に及びます。
これだけの利用者が多いということは、自分で伝えられない理由を抱えている人が多いわけです。
退職代行を利用している人の特徴
退職代行を利用している人は優しい人や責任感の強い人が多い傾向にあります。
自分の為に退職を考えたとしても、「この人たちに迷惑かけたくない!」という気持ちが強くなって、「辞めます」のひと言が言い出せなくなってしまうのです。
「今自分が辞めたら、周りに迷惑がかかってしまう・・・。」
「取引先にも申し訳ない・・・。」
「お世話になった人に顔向けできない・・・。」
自分が抜けたら会社が回らないと考えている人が多いのですが、残念ながら勘違いであることが多いのです。
どんなに優秀で、責任あるポジションの人であっても、会社は回るのです。
いざいなくなると、周囲も最初は困るかもしれませんが、最終的にはなんとかなるものです。
会社側は「お前がいなくなったら困る」と表向きで言っていても、裏では社員が退職した場合のリスクをそれなりに想定しています。
経営者はあらゆるリスクを想定しているから会社を経営できているのであって、社員がそこまで心配する必要はないのです。
逆に、気が強い人や無責任な人は、退職代行を使わなくても、簡単に辞めます。
真面目で優しくて責任感の強い人ほど、辞められずに残ってしまうのです。
こうした人たちが損をしてしまうのはとても歯がゆい気持ちになります。
辞めたくても「辞める」のひとことが言い出せないままになると、徐々に心が病んできます。
残念なことに、日本の企業では、こうした人たちが自殺をしてしまう事件も後を絶ちません。
今まで、追い詰められると、倒れてしまうか、連絡を途絶えてしまうしかないなかで、退職代行という選択肢が加わったことは社会的にも意義があります。
退職代行を利用している人の理由
退職代行を利用する人の多くのは会社へ伝える理由と本当の理由が違います。
会社へ伝える主な退職理由
・家業を継ぐ
・親の介護
建て前として、当たり障りのないない理由を使うことが多いです。
退職代行業者へ伝える本当の理由
・上司が嫌
・サービス残業が多い
・給料が低い
たしかに、これらの理由は、会社へは伝えずらいものです。
会社だけでなく、一緒に働いている同僚にも伝えずらいですし、話したところで裏切り者扱いとされてしまうかもしれません。
このような周りに相談しにくい悩み、一人で抱えている悩みを第3者である退職代行業者であれば本音で話すことができます。
利用者で圧倒的に多い理由は下記の2つ。
・人間関係
・労働時間
例えば、上司からこんなパワハラをされてきたと伝えて欲しいということであれば、退職代行業者は人事に伝えてくれます。
人事では現場の上司と部下との関係を把握していないことが多いので、逆に感謝されることもあったりします。
直接は伝えずらいことであっても、退職代行業者を通すことで、自分の意思をはっきりと伝えることができるのです。
退職代行を利用する手順
退職代行を利用する手順はとても簡単です。
退職代行を利用する手順
①相談する(電話/メール/LINE)
②申込みをする
③料金を支払う(クレジット or 振込)
④退職代行の担当スタッフと打ち合わせ
⑤退職
どの業者でも同じ流れです。
STEP①:相談する(電話/メール/LINE)
まずは退職代行へ相談してみましょう。
ささいなことでも構いません。
利用するべきかどうかは相談してからでもOKです。
連絡方法は電話、メール、LINEのいずれかで相談できます。
もちろん無料で相談できます。
STEP②:申込みをする
相談後に利用する場合は、そのまま申し込みすることができます。
申込みをしたら、退職代行業者から現在の状況についての質問に答えていきながらに情報を共有していきます。
退職代行業者からの主な質問
・雇用形態
・勤続年数
・会社の連絡先(電話番号)
・退職したい理由
・希望の退職時期
STEP③:料金を支払う(クレジット or 振込)
退職代行は基本的に先払いとなります。
相談は入金前ですが、本格的な打ち合わせをするには入金を済ませる必要があります。
支払いの手段は銀行振込とクレジットカード決済が一般的となります。
業者によっては、クレジットカードの使用が不可のところもありますので、事前に確認しておきましょう。
STEP④:退職代行の担当スタッフと打ち合わせ
最初の質問事項よりも詳しい、退職電話をするために必要な質問を受けることになります。
退職代行業者から質問メール(ヒアリングシート)が届きましたらシート沿って回答していきます。
打ち合わせで取り決めるポイントは以下の通りです。
・退職を決行する日時
・希望退職日
・退職理由
・会社からの貸与品の返却
・処分を求める私物
・発行を求める書類
・連絡拒否希望の有無
・転職サポートの有無
・有給休暇や退職金について
辞めると決めたら、まず会社に置いてる私物は持ち帰ったほうがいいでしょう。
例え要らないものだとしても、企業側としては捨てていいのか分からないので、本人へ連絡を取らざるを得ません。
また、最低限の引き継ぎはやっておくことも、余計なやりとりをしなくてすみます。
直接伝えずらい場合は、メモに書いて残しておくなどしておきましょう。
退職代行を利用する人は、周りに迷惑をかけたくないと思う人が多いので、なるべく心配ごとをなくすことはメンタル的にも良いはずです。
自分の責任は最低限は果たしたと思えたほうが気が楽になります。
STEP⑤:退職
打ち合わせた内容を元に退職の連絡を実行してもらいます。
一回で退職を認めてもらえることや、複数回連絡が必要になることがありますが、どの場合も逐一状況の共有をしてもらえます。
実際に退職代行を利用すると、結果待ちの時間は精神的に大きな負担となります。
退職できるかどうか待っている時間はとても長く感じますし、他のことが手をつけられなくなるほど気になるものです。
失敗しないためにも退職成功率100%の業者を使うようにしましょう。
下記の記事では、退職成功率100%の業者に絞って紹介していますので、退職代行サービスを検討したい方はご覧ください。
【まとめ】退職代行を利用して新たなスタートを切る
個人的には退職代行の利用を考えている時点で、その会社に残る必要性は全くないと思っています。
今の時代、1つの会社に固執していること自体、リスクとなってきていますし、転職することもスタンダードとなっています。
辞めることでどんな仕打ちをされるか分からないような会社であれば、さっさと転職するべきです。
その会社がよくなることを待っていても、会社の文化はそう簡単には変わりませんし、待っている時間がもったいないです。
退職代行を検討してる人というのは、真面目であったり、優しさがあったり、責任感があったりする人です。
そんな人こそ、他で活躍できる場があったり、必要としているところがたくさんあります。
退職代行を利用して新たなスタートを切ることが自分のためでもあり、世の中のためにもなると確信しています。
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